ストレスと上手につきあう

ストレスと上手につきあう

ストレスとは、負担に反応して生じる心身の変化のことです。多少のストレスがあったほうが集中力とやる気が高まるというよい面もありますが、ストレスが大きかったり、長く続いたりしすぎると、こころだけではなく体の調子も悪くなってくることがあります。以下の8つの視点を取り入れて、ストレスとうまくつきあっていきましょう。

ストレスとのつきあいかた8か条

ギャンブル、お酒以外の趣味を持つ

スポーツに熱中する、昔の仲間と親父バンドをはじめる、家庭菜園で農作業をするなど、ストレスがあっても、没頭できる趣味があれば気分転換が可能です。しかし、競馬やパチンコなどのギャンブルは金銭的なストレス、付き合いのゴルフは 仕事のストレスにつながり、過度なお酒は心と身体の健康を害します。

入浴を楽しむ

入浴は、からだを清潔にするだけでなく、疲労回復や気分をリフレッシュさせる効果があります。特に効果的なのが、ぬるめのお湯での半身浴です。心臓への負担も少なく、副交感神経が活性化されるので、ストレス解消につながります。

しっかり眠る

睡眠時間が長ければ良いというものではなく、その質もポイントです。大切なのは「目覚め心地のよい」睡眠かどうかです。睡眠そのものよりむしろ、日中に眠気がないか、活動性や集中力が保てるかに着目しましょう。

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日常生活の中でからだを動かす

適度な運動は、さまざまな病気を予防したり、疲労やストレスを解消するなどの効果があります。しかし、これまで運動をしていなかった人が急にはじめると、ケガをしたり、長続きしなかったりします。ウォーキングやストレッチなど日常生活の中で手軽にできることから始めましょう。

ストレスに効く栄養素を摂る

三食規則正しく、栄養バランスを考えた食事をとることは、健康な心と身体をつくり、病気やストレスへの抵抗力を高めます。とくにストレスへの耐性を高めるビタミンB1、ビタミンC、カルシウムを多く含む食品を組み合わせてとるとより効果的です。

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変化を重ねない

昇進したので、新居を購入し、引っ越しし、慣れない環境で仕事を長時間頑張る。こうした変化が重なった結果、心の健康を害することがあります。良い出来事であれ悪い出来事であれ、環境の変化はストレス要因。体調がすぐれないときや気分が落ち込んでいる時は、新しいことは始めず、先延ばしにできるものは先延ばしにし、変化を重ねないように注意しましょう。

コミュニケーションを楽しむ

イライラしたこと、仕事の悩みなどは、誰かに話すことですっきりすることがあります。

ものの見方、気の持ち方を変えてみる

自分の考え方の癖を知り上手にバランスをとりましょう。感情よりも行動や思考の方が自分でコントロールしやすいものです。変えられそうなことから始めてみれば不思議と気分にも好影響がありますよ。

不快な感情を誘発する
「認知のかたより」

認知のかたより(認知のアンバランス)とは、問題の対処や解決につながりにくい考え方のパターンのことです。多くの人が共通して持っているものですが、うつ状態だと特に顕著になりがちです。負のサイクルに入らないように要注意。

  • 感情的きめつけ:証拠もないのにネガティブな結論を引き出しやすいこと(例:○○に違いない)
  • こころの色眼鏡:良いこともたくさん起こっているのに、ささいなネガティブなことに注意が向く
  • 過度の一般化 :わずかな出来事から広範囲のことを結論づける(例:ひとつ仕事がうまくいかないだけで全てできないと思い込む)
  • 拡大解釈と過小評価:自分がしてしまった失敗など、都合の悪いことは大きく,反対に良くできていることは小さく考える
  • 自己非難:本来自分に関係のない出来事まで自分のせいに考えたり、原因を必要以上に自分に関連づけて、自分を責める
  • “0か100か”思考:白黒つけないと気がすまない、非効率なまでに完璧を求める
  • 自分で実現してしまう予言:否定的な予測をし行動を制限した結果失敗する。そして、否定的な予測をさらに信じ込むという悪循環

ものの見方を変えてみよう

バランスのとれた思考を導き出すために、視点を変えて考えてみましょう。下記のように様々な角度から自分に問いかけることで、ものごとを新しい角度で捉えなおすことができます。

  • 家族や友人が同じような考えをしていたら、どのようにアドバイスするだろうか。
  • 他の人がここにいたら、どうアドバイスしてくれるだろうか。
  • 他の人なら、他の見方をしないだろうか。
  • 元気な時だったら、違う見方をしないだろうか。
  • 以前、同じような経験はなかったか。その時どう対処しただろうか。
  • 自分ではどうしようもないことで、自分を責めていないだろうか。

このような問いかけは、自分が今悩んでいることの「意味」を考えるときにも役に立ちます。「何のためにこれをやるのだろう?」(→ 最終的な目的)「自分はどんなことを心配しているのだろう?」(→ 心配する結果)などを検討してみましょう。

参考:うつ病の認知療法・認知行動療法 (患者さんのための資料)厚生労働省より一部改変