ストレス

ストレスとは

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  • 生物には一定の状態(一定の体温、一定の脈拍数、一定の呼吸リズムなど)を保とうとする性質があります。これを「恒常性」といいます。
  • この「恒常性」を乱そうとする働きをするものが、ストレス因子(ストレッサー)です。(一般にはこのストレス因子を“ストレス”と呼ぶことが多いようです)
  • ストレス因子に対する生物側の反応が「ストレス反応」と呼ばれます。
  • 自律神経系とホルモン系とが、ストレス反応の調整役を担っています。

良いストレス・悪いストレス

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  • 過度なストレスはもちろん身体に悪影響がありますが、最近では、適度なストレスは、むしろ身体やこころのために有益であると考えられるようになっています。これを「ストレス善玉論」といいます。
  • また人間にとっては、適度なストレスは「人生のスパイス」と呼ばれることがあったり、課題を乗り越えることで人間的な成長があったり、必ずしもストレスがすべて悪いとはいえないようです。
  • 一方で、過剰なストレス、コントロールできないストレスが続くと、病気になったり、場合によっては生命の危険を招いたりする場合もあります。

脳とストレス反応

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  • 呼吸・脈拍・血圧・体温・消化などの調整は、自律神経系とホルモン系がおこなっています。この調整に乱れが出ると、様々な不快な症状が現れます。
  • 脳は、自律神経系やホルモン系の中枢としてストレス反応に関与しています。
  • 過剰なストレスや、コントロールできないストレスが続くと、自律神経系・ホルモン系のバランスがくずれ、結果的に「脳という臓器」の不調につながります。
  • 脳の不調の結果として、不安、不眠、イライラ、集中の困難などがみられます。精神科の病気としては、心身症、不安障害、うつ病などがストレスに関連した代表的な病気といえるでしょう。
  • まずいストレス対処(たとえば、タバコをすいすぎて肺をいためる、深酒して二日酔いになる、など)によって、さらにストレスをかかえ込むこともあります。また、結果的にアルコール依存症などを発症することもあります。
  • ストレス対処について考えることは、「脳という臓器」の健康を考えることでもあります。
  • 脳という臓器のはたらきが「こころ」と呼ばれるものだと考えれば、脳という臓器の健康を考えることは、こころの健康を考えることであるといえるでしょう。

メンタルヘルスとは

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  • 世界保健機構(WHO)は「健康とは、身体的にも、精神的にも、社会的にも、完全に良い状態を意味する。単に病気や虚弱でないというだけではない」と定義しています。健康を考えるときには、体のことだけでなく、こころのありようにも目を向けたり、人間関係や世の中のできごとに考えをめぐらせたりすることも必要なのです。
  • 人間は「心理的」「社会的」な存在でもあるといわれます。人間がかかえるストレスのありようには、社会的要因も含めて、複雑多岐にわたる要因が関連しています。「こころの健康」の問題を考えていくと、「関係づくり」も重要な課題です。

メンタルヘルスの不調の際にみられる症状

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先に述べたように、過剰なストレスが続くときにまず目立つ兆候としては、次のようなものがあります。

  • 身体的な兆候:疲労感、肩こり、頭痛、不眠、動悸、腹痛など。
  • 精神的な兆候:不安感、心気状態、うつ状態、被害感など。
  • 行動の兆候:遅刻・早退・欠勤などが目立つ、単純なミスが増える。
  • ほかに、アルコール問題、心身症症状、自律神経症状など。

あなたのこころは大丈夫ですか?

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今あなたのこころは元気ですか。からだの具合はどうでしょうか。
以下のような項目について、ご自身でふりかえってみましょう。思い当たることがたくさんあれば、からだやこころに疲れがたまっていると考えられます。ストレスに対処する方法を考えてみましょう。

  • 疲労回復剤を飲みたいと思ったことはありますか。
  • 何となく疲れやすいですか。
  • 頭痛がしたことはありますか。
  • 頭が重いように感じたことはありますか。
  • のぼせたり寒気がしたことはありますか。
  • 心配事があって、よく眠れないことはありますか。
  • 夜中に目を覚ますことはありますか。
  • いろいろなことに重荷を感じたりすることはありますか。
  • イライラして怒りっぽくなることがありますか。
  • 理由もなく、何かにおびえたり、取り乱したりすることはありますか。
  • 落ち着かずじっとしていられないことはありますか。
    (包括的健康評価尺度より抜粋)

ストレスと付き合うために

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ストレスと付き合うための基本的な考え方として、以下のようなことをあげてみました。

  • 人とのつながり・・・ふだんのつきあいの重要性を見直してみましょう。コミュニケーションのありようについて考えてみましょう。
  • 自然とのつながり・・・スポーツ、レクリエーションなどを通じて、自然な生き生きとした感情の動き(ワクワクする、楽しい、くやしい…)を感じてみましょう。
  • こころとからだのつながり・・・心身の関連を見直してみましょう。
  • 働く意味や働くリズムについて考えてみましょう。
  • 心構えをかえてみましょう・・・積極的になる・自分で健康を守る意識を持つ・疲れない生活、ゆとりを意識する、など。

具体的に以下のような方法はいかがでしょうか。

  • 良い相談相手や、仕事をはなれたつきあいをもつ
  • 自分の限界を知り、上手な休み方を考える
  • 気晴らし、気分転換としてスポーツやレクリエーションに参加する
  • リラックスのための具体的な方法を身につける
  • 喫煙、飲酒、運動、間食、睡眠などの生活習慣を見直す
  • 自分ひとりだけの時間を持つ

こころの健康を保つには

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  • どんなに気をつけてみても、人間は病気になることがあります。「安心して病気になれる環境=安心して休める環境」を考えることも大切なことです。
  • 孤立無援にならないようにすること、つながりを大切にすることは、こころの健康のために重要なことです。